2010年3月31日水曜日

取引履歴を見て

取引履歴を見るのはなかなかおもしろい。当時自分が何のためにお金を借りていたのかはまったく思い出せないが、そこには借入と返済を繰り返す自分の姿が、事実を裏付ける日付けとともに記されている。もし防犯カメラを見ることができれば、私の格好や表情まで確認することができるのではないだろうか。
98年に45000円を借りた私は1ヵ月後には全額返済している。給料が出るまで我慢できない買い物があったのかもしれない。そして、利子が怖くて給料が出るとすぐに返済したのだ。2週間くらいして、余裕が出てきたのか数千円単位の借金を繰り返すようになった。熱い風呂に入る前に、かけ湯をして少しづつ体を慣らしているかのようだ。数ヵ月も経つと、万単位での借金が目立つようになる。いくら借りても毎月同じ額しか返さなくても良いから歯止めが効かなくなってきた。そしてあっという間に限度額いっぱいのいわゆる天井状態になった。それからおよそ半年ごとに限度額アップの契約を繰り返し、3年で借金は50万になった。他の消費者金融やカードローンを足すと120万円くらいの借金があったと思う。
多重債務者が増えだした2002年に銀行のおまとめローンを申し込み、いったん全額返済した。数%の利息で毎月26000円を銀行に返していた。
それから1年も経たずに再度アコムと契約してしまう。そして履歴を見ると50万円を一回で借りていた。その頃軽いバイク事故を起こしてしまい、修理や補償に金が必要だったのかもしれない。今となっては曖昧でよく覚えていない。何にせよ、アコムはそれから7年間天井張り付き状態。グレーゾーン金利が撤廃されて、窓口で金利を18%にしてもらいようやく全額返済にこぎつけた。
何度も催促の電話が鳴り、借金を借金で返していた時期が長く続いた。返済日が近づくと気持ちが暗くなった。身内や友人・知人にも相談できず、ひとりで悩んでいた。最高で200万円くらいの借金になった。その後、生活を改め節約をし、払いやすいものから順番に返済していった。借金が20万を切ればもう一息だった。40万の壁が一番厚かった。金利が高いので払っても払っても減らないのだ。
借金とは何だったのだろうか。ゼロ年代は私にとっては借金で始まって借金で終わったと言える。もしかすると世界もそうだったのではないだろうか。
グレーゾーン金利が撤廃されていなければ、私は未だに少しも減らない借金を抱えて同じように悩み続けていたかもしれない。